【まちなかストーリー】WINE & JAPANESE GRILL FUJITA 藤田 隼介さん 第3回「飲食店経営の悩み事や失敗エピソード」

まちなかで活躍する人にスポットを当てて、そのヒトの街に対する想いや物語を紹介する「まちなかストーリー」。今回は2人目、WINE & JAPANESE GRILL FUJITAの藤田 隼介さん。第3回は、「飲食店経営の悩み事や失敗エピソード」をお話していただきました。

人物紹介

藤田 隼介さん
23歳で飲食業に誘われた時に5年で自分の店を出す条件で働き始め、その後田町で和洋創作ダイニングの「花音」を開店。自分のお店のスタイルを求めて松城町のまちなか寄りに移転し、1年半前に「ワイン&ジャパニーズグリルFUJITA」に店名を変更。日本人好みの和の味付けで、素材と誠実に向き合いとことんこだわった地元食材を使ったメニューを提供している。最近のブームは海外ドラマの一気見。実はインタビューが苦手。
お店のウェブサイト:「WINE & JAPANESE GRILL FUJITA

地元ならではの人の繋がりも。HACHIの橋爪さんと知り合ったきっかけは?

ーー前回のまちなかストーリーでインタビューをした方が、HACHIの橋爪さんです。


【まちなかストーリー】ワイン&キッチンHACHI 橋爪 厚志さん 第1回「HACHIや浜松太陽食堂を始めたきっかけ」 

伊藤 橋爪さんとはどういう繋がりなんですか?

藤田 これもまた複雑な話なんですけど。なんで知りあったんだっけな…

鳥居 前回のインタビューの時におっしゃっていたのは「食べに行ったらもうめっちゃうまくて」と言っていました

藤田 本当もうありがたい話で、こないだも食べに来てくれたんですよ。彼が2店舗目、太陽食堂さんの施工をやっている子が、ちょっと複雑なんですけど「妹の友達の元旦那さん」で、橋爪くんのところの施工をやってる時に一回うちに行ったことあるよって話をしてくれたみたいです。

それで、さらに妹の同級生なんですよ、橋爪くんが。他にもいろいろと少し繋がりがあって、うちのいとことすごく仲よかったりとか。そこからですね。

伊藤 ということは橋爪さんのように、まちなかのお店が終わってからご飯を食べに来ているという感じで使っている人も多そうですか?

藤田 多少はいると思います、終わって上がった後に食べに来る人も。でもそんなに多くなくて、夜中にくるのはまだまだ知ってる人たちばかりです。そこから横のつながりでどこかのお店が終わってから来てくれたりとか。というのは、あります。ありがたいことです。

実は難しいランチ営業の実情

伊藤 この近辺は市役所もありますが、ランチはやってないんですか?

藤田 いまはやっていないですね。前は母親が一緒にやっていたんですけど、母親がもう結構歳になって。で、ランチはランチで結構大変なんですよね。ランチのお客さんに少しでも広告とかになればと思ってやっていたんですけど、やっぱりランチはランチのお客さんとしてくるので夜のお客さんになかなかつながらなくて。こっちのお店に変えたときも、やろうかなって考えたんですけど。

ランチは自分で言うのも何ですけど結構流行っていたんですよ。お隣の病院の看護師さんとかが来てくれたり、近くの会社の方が来てくれたりしていたんです。

でも、これはお金の話になっちゃいますが、ランチの利益の幅と、自分たちの営業時間を考えると、ランチ営業をするよりも夜の時間をちょっと遅くまでお店を開けておいて、あと1組来てくれれば、それで(ランチの利幅と)ほとんど変わらないんです。

お昼の時間のランチ営業をやると昼夜と2人体制でやらないといけないですし、仕込みから何から準備しないといけないので朝からの作業になってしまいますから。いろいろ考えると回すのが大変だなと。

伊藤 ランチの結果が夜につながって来ればいいんですけどね

藤田 そうなんですよね、そこがあんまり芳しく無くて。あとは一日どかーんと40人位ランチでくる日もあれば、雨が降って3人ぐらいしか来ない日もあって、客足が極端なんです。 ほかにも例えば、夏の暑い時期なんかは、あまりみなさん外にでないですからね。そんな感じで良い時と悪い時の波が激しいので、いろいろ考えてランチ頑張るなら夜ちゃんと集中して、夜にきっちり注力することで仕事終わりにつかえるような店にしようってことでやめちゃいましたね。

場所選びをそもそも失敗!?今までの失敗したエピソードを根掘り葉掘り聞いてみた

伊藤 今まで失敗したなぁというエピソードはありますか、さっきの釣り銭とかの他にもあれば!

藤田 いやいや、失敗なんてもう…いくらでも失敗してますよ!毎日失敗だらけですからねー、本当にもう…(笑)

んー、失敗はもう本当に細かいことを上げていくとたくさんありますけどね…でも、本当に、正直に言ってしまったら「ここ」(店舗の場所)を選んでしまったことですよ!

一同 (笑)

藤田 これを言っちゃったら元も子もないですけど、それはそれは、もう随分思って苦労しましたからね…(笑)

伊藤 そうは言っても、最近はしっかりと持ち直してきてるじゃないですか

藤田 そうですね…(消え入る声で)

伊藤 例えばグラフで表すと、最初のお店のオープンが100だとするとその後どんな感じですか?

藤田 花音はずっと良かったですよ、そっからずっとこうだった(低空飛行)のでやっちまったなぁと。その後、名前変えて1年間は本当にしんどかったですね。藤田に変えて1年間は本当にしんどかった。全然うまくいかなくて。

鳥居 思うような上り調子ではなかったんですね

藤田 ぜんっぜんですね。本当に全然うまくいかなくて。ただ、2、3年そのスタイルを貫いていれば、その後も上手にやれていたんじゃないかなと思うんですけど、お客さんが来ない状態でも、それを突っぱねてそれを浸透させていけば。

もちろん自分でも多少自信があったんですけど、そんな悠長なことしていたらその前に(金銭的にも)パンクしてそんな状態ではやっていけないと。それで軌道修正して、若干リーズナブルに。もともといいものを使ってリーズナブルにやってたんですけど、もう少し、ちょっとだけ単価を抑えて。

伊藤 ちょっとずつ方向転換しながらも、ただ、将来的には自分のやりたい方向には持って行きたいと。

藤田 そうですね。ただでもそこで、自分だけでやれる・やれないってのは限界があることを思い知ったのもあったので、そこまでの料理を出すならもう一人厨房が欲しいとか冷静に計画を考えて。

こだわり派の個人店がお店を大きくする時にぶち当たる「任せられる人を育てられるか」という難題

伊藤 人を増やしたり、お店自体を大きくしたりとかは考えているんですか?

藤田 んー、そこまで「どでかく」するつもりはないです。自分は”人を使うということ”が苦手な方なので…苦手な方というか本当に苦手なので、それがネックで。それでも、そんなこと言ってちゃダメなんで、そこを改善しながら、ちょっとずつ人を育てて、任せるところは任せて、人を育てて、もう少し大きくやれたらなと思います。

だた、本当に、この店舗を同じ店舗を2店舗3店舗増やしていくって言うのはあんまり考えていないです。やるなら自分がやる、というスタイルです。

伊藤 なるほど。同じような店舗をやるんであれば、人を育ててその人にやってもらうとか

藤田 そうですね。もちろん、自分も顔を出しはします。けど、同じようなスタイルを出すとなったら、自分がもう一人必要になっちゃうのと同じことになるので、それは出来ませんからね。

そういう話で言うと、おそらくちゃんとやっている個人店の方はみんな、こだわりが強すぎて人に任せるってことが出来ないんですよ。こだわりが強いのはいいことなんですが、店舗を増やそうとすると、それがダメな部分で。

僕らのこういうお店って、彼らもそうだと思うんですけど、利益出していこうと思ったらやっぱり店舗を増やしていくしか無いんですよね。飲食のお店は1店舗で売上の限界ってほぼ決まっちゃってるんです。そうなると大きくするには多店舗だしていくしかない。

そこで、私が今儲かっている店舗と同じ店舗をもう一つだせばいいじゃないか、と思うんですけど、出来ないんですよね。そこには運営する人の問題があって。自分と全く同じことが出来る人を育てられるかというと、たぶん完璧には育てられないんじゃないかなと思うんです。

やっぱりどこか気に入らないところが出てくるんですよね。例えば、盛り付けの仕方だったりとか、味付けはある程度教えられるとしても、盛り付けをこう…人参一個置く場所が気に入らんとか(笑)簡単な例ですが、やっぱり「こだわりが強すぎる」のがネックになるんでしょうね。

ただ、そんなこと言ってたら本当に何も任せられなくなっちゃうので、きちんと教えてはいくのですが…なんていいますかね、店舗出していきたいけれどそういったネックな部分があってなかなか一歩進めない。それだったら、誰か出来る方々とタイアップしてやったほうがいいのかなと考えることもあります。もちろん、それはそれでリスクは有りますけど大きくする方法の一つですよね。

この話は、最近抱えてる悩みと言いますか、いろいろとやりたいなというビジョンはあるんですけど、明確にもじゃあ来年中に店舗出します!というとこまでは(決まっていなくて)。もう1,2個、何か決定打があればいいなと模索中です。実は今日この後もこの話をしてくるんです(笑)

伊藤 それを踏まえて、今後の将来の夢とかありますか?

藤田 最近のお話で、まだはっきりと決めてないんですけど。自分たちでもっと店舗を展開するのか、または個人の飲食店の形態ではなくて、昼間のフードコートみたいな大きな会社の飲食店、例えば、イオンやららぽーとで働いてるような形態。ああいう形態で働く方達は、僕らみたいな個人店とはまたやり方が違って面白いですよね。

お店に関するあらゆるデータを全部出して、一日何人のお客さんが何を買って…とか全部データで出して。そういう方達と飲食のお店をやったりするのも面白いかなと考えたりはしています。

藤田さんがおすすめする、まちなかのお店をこっそり紹介!-「懐石いっ木」さん

伊藤 業種問わず横のつながりで仲の良い方とかいらっしゃいますか?または、まちなかで美味しいお店とかオススメのお店があれば教えて下さい。

藤田 んー…中が良いのは橋爪くんのとこかなぁ(笑)彼、本当すごいですからね。食べることからお酒の知識から。

まちなかで美味しいお店といえば、菊乃井さんという京都の有名な割烹屋さんから独立された「懐石 いっ木」さん 

懐石なんで、僕とか橋爪くんとはちょっとスタイルが違いますけど。値段もちょっと高めのお店で完全予約制です。お昼もやっていて、夜は1万円くらいからですね。老舗は浜松にいっぱいありますが、僕はここがオススメです。

きっかけは、ワインの酒屋さんをこちらのいっ木さんに紹介してもらって。ここ最近は、あまりお会いしていなかったんですけど。切磋琢磨感バリバリで、取り組んでいることも素晴らしい方です。料理の腕も一流で、ミラノ国際博覧会に静岡代表で出ていたりと、もう本当にすごい人です。白衣脱いだら本当にただのいいお兄ちゃんなんですけどね(笑)

伊藤 おお…敷居が高そうですね…

藤田 そうですね、ちょっと覚悟決めていかないとダメです(笑)

藤田 あとは地域で和食の料理教室とか、講習をやっていたりとか。きっと調べれば調べるほど仕事しかしてないんじゃないかなって思います。

一木さんは元々、菊乃井さんっていう京都の方のすごい有名な料亭さんなんですけど、それこそTVでもでているような。そこで修行されていた方ですね。なので腕も一流なんです。

伊藤 そして、こちらのご出身なんですね。

藤田 そうです、森町の出身ですね。

鳥居 どうしてお知り合いになったんですか?

藤田 その時は、お客さんに連れて行ってもらって、その方今もうちに来てくれているんですけど、それで、歳も近かったりで僕もちょうどオープンするちょっと前だったので、なんだかんだでいろいろ仲良くなって一緒に飲みに行ったりとか。お店を出してからも、よく相談に乗ってもらったりしました。

(おまけ)休日の藤田さんの様子を聞いてみました

伊藤 定休日は月曜日なんですね。

藤田 はい、月曜定休です。

伊藤 休みとかは何をされています?

藤田 休みですかー、最近は意識してちょこちょこ外に出るようにしています。もともと食べるのが好きなので、外で食べたり飲んだり、お昼ならランチを食べに行ったりとかですね。んー、でも考えてみると休みの日って何してるのかな僕…

伊藤 サーフィンするとかサッカーするとか、スポーツはどうですか?

藤田 サーフィンは昔やってたんですけど、今は怖くなっちゃって。結局、自分一人でやってるから体が大事で、本当にちょっと怪我して動けなくなったりしようものなら、お店がなんともならなくなっちゃうが怖くて。ゴルフは結構好きでよく行くんですけど。

ここ最近の1、2年は、ずっとこもっていたわけじゃないんですけど、あまり出歩いてなくて。例えば、月曜日が定休日なんですが、翌日の仕込みをしておかないと間に合わなかったりする時があって、定休日と言いつつもなかなかまとまって休めないんですよね。それと、お休みの月曜日にこそ、試したい料理をやったりする時間に使ったり。

あとは、そうだ! 休みの日は妹の甥っ子と遊んでいます。甥っ子のところに遊びに行くというか、甥っ子を迎えに行くんです。学童保育とかありますよね、あれのお迎えです。それで迎えに行った後は、そのまま一緒に遊びに行って、妹のところに一緒に帰ってきて、一緒にご飯食べて…みたいパターンが結構多いですね。

僕が甥っ子大好きなのと、向こうも僕と遊びたいって来てくれるので、一緒によく遊んでいます。楽しいですよ(笑)

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今週はここまで!
次回は最終回なので「まちなかで起業すること、まちなかの飲食店について思うこと」について聞いていきましょうー! 公開予定日は9/2です。お楽しみに!